投資の教科書

株式投資20年の投資家が語る 絶対に知っておくべき投資の真実

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とうとう消費増税の延期を決定。アベノミクスの結果に関わらず、円安とインフレが進行か?

 

 安倍首相がとうとう消費増税の先送りと衆議院の解散を決定した。17日に発表になった2014年7~9月期のGDPは実質でマイナス1.6%(年率換算)と、予想をはるかにこえるマイナスとなった。このままでは消費の低迷が激しくなることから、消費増税の先送りを決定したというのが、表面的な理由である。

 現実には、今、解散した方が安倍政権にとってはプラスなので、まずは解散ありきだった可能性が高い(今国会中の解散についてはだいぶ前から囁かれていた)。ただ、GDPのこれほどの落ち込みは予想外だったはずで、結果的に、アベノミクスに信を問う選挙になってしまった。

 日本経済の現状は、とにかく消費が弱く、企業の設備投資も伸びていない状況であり、先行きはいい状況とはいえない。株式については悲観的な見方もある。だが筆者は、基本的に今回の解散と消費税の延期は日本株にとってプラスになると見ている。

 その理由はインフレの進行である。

 日銀はとうとう追加緩和に踏み切っており、2%の物価目標を何としても達成する意向のようである。追加緩和の決定は、円安要因であり、これで輸入価格の上昇によるインフレが進行する可能性が高くなった。

 また安倍政権は、デフレ脱却をうたっている以上、何としても物価を上昇させようとするだろう。財政政策も金融政策も使い果たしてしまった今、残されているのは、財界に政治的にプレッシャーをかけ、賃金上昇を促すという飛び道具である。

 安倍首相は、解散表明後、早速、政労使会議を開催し、財界に対して賃上げを迫っている。経団連は安倍政権との関係修復が最優先課題なので、おそらくこの要請を受け入れるだろう。

 GDPが成長しない中、賃上げを実施した場合、企業は利益を維持するため、値上げに踏み切る可能性が高い。これによって、値上げと賃上げのスパイラルが始まる可能性がある。

 物価が上昇してくれば、確実に為替は円安に振れるので、さらに物価が上昇してくる。名目上の物価が上昇してくれば、株価にはプラス材料ということになる。このサイクルが回り始めれば、思いのほか早く、物価上昇率2%が達成されてしまうかもしれない(ただ、それが国民生活の向上につながるのかはなんともいえない)。

 一部では財政への信認低下から金利の上昇が懸念されているが、日銀がいくらでも国債を買うので、当分の間、金利上昇リスクは低いだろう(その後は分からないが・・・)。

 世界でも大きな影響力を持つ機関投資家のひとつであるカルスターズ(カリフォルニア州教職員退職年金基金)が、日本株の投資を積極化する意向という報道もある。
 おそらく、円売りドル買いのヘッジを行った上で、日本株を買い増す戦略と考えられる。つまり、日本はインフレとなり、円安と株高が当時に進行すると彼等は見ているということになる。

 筆者も基本的に同じ見立てである。ただ日本人から見た場合には、投資のチャンスというよりもインフレから資産を守る資産防衛といった意味合いが強くなるのかもしれない。
 アベノミクスがうまくいってもいかなくても、インフレは避けて通れない道のようである。

【関連サイト】
お金持ちへの取材で明らかになった、お金持ちになるための法則
なぜあなたは出世できないのか?
起業・独立で成功するために知っておくべきこと
放射能から身を守る食品ガイド
記事にできないホンネを集めた脱力系裏ニュースサイト

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