投資の教科書

株式投資20年の投資家が語る 絶対に知っておくべき投資の真実

*

なぜ住宅ローンを組んではいけないと言われるのか(後編)

 

 前回、住宅ローンが投資だということがわからないなら投資はやめたほうがよい、と述べた。

 しかし、それでも「マイホームは資産のひとつとして持っているのだ」と食い下がる人、やはりわかっていない。資産は持つことによりキャッシュを生み出してこそ初めて資産と呼べる。マイホームはどんなキャッシュを生み出しているのかわかって言っているならよいが、おそらく考えたこともないだろう。

 日本の家のほとんどは買ったとたんに債務超過になる恐れがある。持っていて損するものは負債でしかない。

あなたの家はキャッシュを生み出すか?
 ここで、マイホームが生み出すキャッシュというものを考えてほしい。これは借りていたときの家賃と思えばよい。家を買ったことで、家賃を払わなくてよくなるため、その分所得が増える。

 したがって、今年、来年、将来…と生み出してくれるキャッシュがいくらあるかでマイホームの価値が決まることがわかるだろう。ただし、この単純な計算に当てはめる場合、借りていたものと買うものがだいたい同じくらいの価値のものというのが前提だ。

その家がいくら稼ぐかで家の価値が決まる
 では、マイホームの価値とは一体どれくらいだろうか。今不動産は底値だから買いだ、高いから待ったほうがよい、などという話をあちこちで聞くが、それは本当に適正な価格なのだろうか?

 簡単にそれがわかる計算式がある。大雑把な数値ではあるが、割高か割安か底値か、などの目安にはなる。しかも、小学生でも数秒で計算できる簡単な式なので、覚えておくと便利だ。広告や不動産業者の巧みな話術にも躍らされることはなくなるだろう。

 この計算の根拠がわかると、現在価値の概念を押さえたことになる。これが株であろうが、債券であろうが、不動産であろうが、投資商品の価値はこの式で計算される。ただし、この式で出した価値がそのまま株価や不動産価格となっているわけではない。あくまでも本来の価値はこのくらいだろう、という目安である。

さて、その式だが不動産なら

年間の家賃÷10%

これだけだ。たとえば、今住んでいる賃貸マンションと同レベルのマンションを買うとしたら、今払っている年間の家賃にゼロを一つ足すだけである。

 家賃が月20万円であれば20万円×12÷10%=2400万円。この家の価値は2400万円ということになる。これは、あくまでも買ったマンションが20万円の家賃で貸せる場合だ。その家賃では無理そうだと思ったら家賃を下げて計算してみる。15万円ならその家の価値は1800万円となる。

 理屈は、そのマンションの投資利回りは10%と見ているということだ。10%というのは高いと思われるかもしれないが、不動産は流動性が低い、つまり簡単には売れないため、高い利回りが必要となる。「利子は流動性に対する対価」でもあるのだ。

 ただし、これは単純式であって、家賃の変動や不動産のメンテナンス費用や固定資産税、流動性やローンの金利等、これらモロモロを考慮して計算してほぼ利回り10%に落ち着いたところがその不動産の価値ということになる。

マイホームは資産ではない
 とりあえず細かいことは無視して、今5000万円の家を買おうと思ったら、その家が40~45万円で貸せるかどうか考えてみればよい。貸せるなら適性価格ということだ。適性価格と判断されて初めてこの5000万円の家は資産になる可能性があると思ってよい。

 ただ、肝心なことを忘れてはいけない。この家が資産なら、この家は貸し出すのだから、あなたは住んではいけない。しかも入ってくる家賃より安い賃貸マンションに入らないとまったく意味がない。

 さて、現実的な話、こんな家、そうそうあるだろうか。5000万円のマンションの家賃はせいぜい25万円くらいだろう。キャッシュフローを生み出す資産を探すのは本当に苦労するのだ。しかも、さらに現実的な話、人に貸すならいわゆる住宅ローンは組めない。金利の高い一般ローンになる。果たして割りのよい投資といえるだろうか。

 キャッシュフローを生み出してこそ資産という概念は、投資で成功するための基本中の基本だ。これがどうしても理解できない・したくない人は投資には向かない。

【関連サイト】
お金持ちへの取材で明らかになった、お金持ちになるための法則
なぜあなたは出世できないのか?
起業・独立で成功するために知っておくべきこと
放射能から身を守る食品ガイド
記事にできないホンネを集めた脱力系裏ニュースサイト

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