投資の教科書

株式投資20年の投資家が語る 絶対に知っておくべき投資の真実

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なぜ住宅ローンを組んではいけないと言われるのか(中編)

 

 前回の続きで、頭金300万円と2700万円の借入で3000万円の住宅ローンを組んだら家が値下がりしてしまったケースを見てみよう。

家の値段が下がると借金だけが残る

10%(300万円)値下がりしたとするとこのように資産は2700万円に減る。しかし返さなければならない借金の額は変わらないため、バランスをとるために資本をゼロにする。

これは、家を売って借金を返したら手元には何も残らないということを意味する。実際には家がため、その実感はないが、バランスシートでは実態がわかるようになっているのだ。

さらに値下がりをしてしまった場合、たとえば30%(900万円)値下がりしたとすると、資産(固定資産)は2100万円、借金の額は2700万円だ。これでは左右が一致しない。このようなとき、どうやってバランスをとるのか。

 この場合は便宜上、資本をマイナス600万円とする。このように資産から負債を引くとマイナスになる状態が「債務超過」だ。

 これでは家を売ってお金を作っても借金が600万円も残ってしまう。ただし、家を売ってはじめて損が表面化するのであって、その家に住みながら借金を少しずつ返している分には、債務超過であってもすぐに自己破産とはならない。

給料が上がらない今、あなたも債務超過になる可能性大
 しかし、昔のように右肩上がりの経済で給料もどんどん上がっていくなら心配はいらないが、現在は横ばいか下がっている状態であり、またリストラなどで急に収入が途絶える可能性もある時代に、このような状態を放置しておいてよいわけがない。

 企業の債務超過と聞くと、その企業はすぐにでもつぶれてしまうのではないかと思う人が多い反面、いざ自分の家のこととなるとまったく問題視しないのが現実だろう。一度自分の家のバランスシートと破綻した企業のバランスシートを見比べてみるとよいかもしれない。結構ゾッとするだろう。というかしないとダメだ。

住宅ローンを組んでよいのは住宅が値上がりすると思っている人だけ
 では、住宅ローンを組んではいけないのかというとそうではない。こんな債務超過の状態にしてはダメだと言っているだけで、

①家が値上がりすると思っている場合
②借金を返してもあまる資産(現金や金融資産など)がある場合

は組んでいいということになる。

①は言葉通り「値上がりすると思っているならどうぞ」ということだ。先のバランスシートの例でわかるように、下がったら損をして上がったら得をする。住宅ローンも投資である。

 だから、組んでよいのか・悪いのかという話ではなく、これで大儲けするのだ!と思う人はやればよい。しかも、住宅ローンはただの投資ではない。何倍ものレバレッジをかけたハイリスクの投資だ。借金をしてまで投資しているのだから、その覚悟もあるはずだ。

 このことが理解できないなら決して投資はうまくいかない。

 ②のようにローン以上に資産がある人はほとんどいないだろうし、しかも「なんでお金があるのにローンを組むんだ?現金で買えばいいじゃないか?」と不思議に思うかもしれない。

 これはどういうことかというと、ローン金利が異状なほど低く、それより高い利回りの投資商品がある場合は、お金を借りて投資をしたほうが得ということなのだ。例えば住宅ローンの金利が2%で、ある株式の配当が5%だったら、3%サヤを抜けるということだ。

 とはいっても、買った不動産が前述のようにすぐ値下がりするようなものでは、多少投資で稼いだとしても意味はないため、値下がりしない=適正な価格の不動産を探さなければいけないことは言うまでもない。

 このように、とにかくすべての行動は投資に還元するくらい徹底していないと、この世界は勝てない。住宅は別だなどと言っているようでは、投資はやめたほうがよい。

【関連サイト】
お金持ちへの取材で明らかになった、お金持ちになるための法則
なぜあなたは出世できないのか?
起業・独立で成功するために知っておくべきこと
放射能から身を守る食品ガイド
記事にできないホンネを集めた脱力系裏ニュースサイト

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