アメリカがひきこもると日本は中国のものになる?!(1)
前回は3回にわたって、オバマ政権2期目の人事から、オバマは自信満々で独裁っぷりを発揮している、という話をした(人事についてはケリーさん、ヘーゲルさんが肝。もう一度読んでおさらいしてね)。
で、オバマが自信満々なのは、米国経済の回復が順調に進んできていることも大きい。FRBのバーナンキ議長から、米経済は大丈夫だという見通しを聞かされているのだろう。
日本では米国経済は悲惨だというインチキニュースばかりだが、数字からも回復ぶりは分かる。
まず、個人消費はリーマンショックで落ち込んで以降は順調に回復している。失業者も一昔前に比べれば高いが、リーマンショック後10%だった数値は今では8%を切った。
その他の指標を見ても、例えば非製造業の生産指数はリーマン後順調に回復しており、住宅着工件数は低迷していたものの2012年後半から急回復している。不調なのは、2010年から横ばいの製造業の生産指数だけだ。
株価だってリーマンショック前に迫る勢いだ。
バーナンキさんは、インフレターゲットに加えて、失業質が6.5%になるまで緩和策を続けるという、いわば失業率ターゲットを導入して世界を驚かせた。だがこれは、逆に考えるとバーナンキさんは米景気の回復にかなりの自信を持っているからできた政策であるともいえる。
これって結構すごいことで、中央銀行の総裁が失業率の低下を確約するなんてフツーはとてもできない。ということで、バーナンキさんがかなりの自信を持っていると見てよいのだ。
すでに米国は出口戦略をどうするのかというフェーズに入っている。米国はこれから金利を高め誘導し、ドル高政策に切り替えてくるだろう。そうなると、日銀の緩和策との相乗効果で、円安がさらに進行する可能性が高い。
また金利の上昇で債券から株に資金がシフトするので、米国株は上昇するだろう。アメリカにお金が戻り始めているのだ。
もし以上の条件で円安が定着すれば、もう二度と円高に戻ることはないという可能性が高くなる。
オバマ大統領は、軍縮を進め、世界に展開する米軍を国内に撤退させ、経済成長に全リソースを集中させるつもりだ。逆にいえば世界のことなどどうでもよい。かつてのモンロー主義(知らない人は調べてね)に逆戻りだ。
しかもアメリカにはこの動きを一気に加速させるロケットまで持っている。それは石油の自給だ。この話は次回に。
【関連サイト】
「お金持ちへの取材で明らかになった、お金持ちになるための法則」
「なぜあなたは出世できないのか?」
「起業・独立で成功するために知っておくべきこと」
「放射能から身を守る食品ガイド」
「記事にできないホンネを集めた脱力系裏ニュースサイト」
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