投資の教科書

株式投資20年の投資家が語る 絶対に知っておくべき投資の真実

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ルネサス2000億ゲット!でもちょっと延命するだけだよ

 

 一昨日(2012/10/11)、ルネサスと革新機構と外資ファンドとと題して、ルネサスがまともな形で自力再建をして欲しいと書いたが、それはなくなったようだ

 結局、KKR vs 産業革新機構の出資対決は、革新機構に軍配が上がり、トヨタやらパナやらを引き連れて2000億円出資することが決まったとのこと。10/13の記事では、「ルネサスがこれを受け入れる見通し」とまでしか書かれていないが、土曜日の発表でもあることだし、これは決まりなのだろう。

 前回、「ルネサスにとっても、そしてルネサスの顧客にとっても楽なのは革新機構入りだろうから、この案があるのは納得できる。しかし、トヨタが出資を速攻で断り、他のメーカーも出資は渋々、との報道もあるのは気になる。メーカーも自分自身によっぽど余裕がないのか?」と述べたが、なんてことはない、やっぱりメーカーたちは不当に安く買い叩けるこの案に乗っかったのだ。いやメーカーから産業機構にけしかけた?まあこの際どっちでもよい。

 ルネサスも顧客開拓やこれ以上のリストラをしなくても済むかもしれないし、これで肩の荷が下りる。報道では、なぜかこれで「競争力をつけて再スタート」みたいなマヌケなことを言っているが(どうせ革新機構のタレ流しそのままなのだろうが)、なぜこれで競争力が付くんだ?!逆だろ!ちょっと延命させるだけだろっ!

 この再建計画の中には、大赤字の原因であるシステムLSI事業を切り出し、パナと富士通のそれと統合する案もあるそうだが、この統合話は今年2月ごろから何度も報道されていた。2月のときは3月までにまとめたいと言っていて結局まとまらず、今度は11月までにまとめたい?ってホントにまとまるのかね。

 でもこれ、ダメなものを次々厄介払いしていっているだけ。ルネサスもこうやってできた会社だ。日立と三菱とNECから邪魔なヤツを追い出して作ったのがルネサスで、今度はそのルネサスから邪魔モノを追い出して富士通とパナの邪魔モノをくっつけるってことだ。

 となると、その新会社ってのは真っ先に潰れそうになるわけで、それはどうするのだろう。今その場しのぎで切り出しても何も問題は解決しない。ただ先送りしているだけ。結局ただ潰れるか、それこそ外資にタダ同然で買い叩かれる(いやもういらない?)までチキンレースを続けるのか。

 で、こうやってお荷物のシステムLSI事業を切り捨てて、ルネサスがマイコン専業になったとする。まあ儲かっている事業なのだから、もうこれで潰れそうになることはないだろう。少しの間は。

 前回も書いたようにシステムLSIを買い叩いてきたメーカーが株主になるのであって、今度はマイコンもシステムLSIと同じ目に遭うのだよ。
 メーカー側も不当に安く買わないと儲からないほど経営が苦しいわけで(トヨタはそうでもないのか?)、このままぬるま湯に浸かっているわけにはいかないのだ。

 だから国内メーカーどっぷりの体質はやめてちゃんとマーケティングやって海外のメーカーにも売りにいかないといけない。

 同じく前回も書いたようにそれなりの付加価値のものを売って儲かるようにするには、顧客選別を徹底的に行い価格を調整という交渉も行わないといけない。これは大変なことだろう。
 しかしこれができて初めて競争力がついたと言えるわけで、ただ黙って売れる環境に身をおいていて世界で戦えるわけはない。

 そのぬるま湯はすぐ冷めて凍り付いてしまうのだよ。だからちょっと延命させるだけの策に頼ってはいけないのだ。
 といってもこの話はもう決まりなのだろう。その上で敢えて聞く。

 「ルネサスよ、そのカネに手をつけていいのか?」

 

【関連サイト】
お金持ちへの取材で明らかになった、お金持ちになるための法則
なぜあなたは出世できないのか?
起業・独立で成功するために知っておくべきこと
放射能から身を守る食品ガイド
記事にできないホンネを集めた脱力系裏ニュースサイト

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