投資の教科書

株式投資20年の投資家が語る 絶対に知っておくべき投資の真実

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投資家は評論家になってはいけない

 

 投資家の中には少なからず評論家がいる。評論家といっても本物のことではない。巷によくいる「すぐ天下国家を語りたがるヤツラ」、つまり評論家気取りのことだ。投資家の中には、とは言ったものの、日本人のほとんどが評論家気取りなのだが。

 さて、投資家は決してこの評論家気取りにはなってはいけない。何のために投資をするのかを考えればすぐわかるだろう。お金儲けのために投資するのであって、それ以上でもそれ以下でもない。

 たとえば、投資家にとって「バブルはけしからん」などという話は無意味だ。バブルが起こるなら利用すればよいし、それがどんなに実態と乖離していようが、どんな影響を社会に及ぼそうがそんなことはどうでもよい。

 だから、経済が好調な国があればそこに投資すればよいし、調子のよい会社に投資すればよいのであって、こうあってほしいとかこうあるべきだという話は相場の世界では禁物だ。

マスコミは願望と妄想に溢れている
 ただ、注意しなければいけないのは、新聞とかテレビのニュースというのはそういう観点では作られていないということだ。どうあるべき、こうあってほしいなどの願望や妄想前提で作られているから、ニュースを見て投資をするのはばかげている。もっと言うと、マスコミが言っているのは、ほとんどがこうあって欲しいという願望ばかりで、あるべき論があったとしてもトンチンカンな内容が多い。

 昔から「相場のことは相場に聞け」という格言があるのだが、その1つの例として、アメリカ経済に対する捉え方を挙げておきたい。

 日本のメディアではアメリカの資本主義が終わっただの、破滅するだの、住宅価格が泥沼だの「アメリカはだめだ!」のオンパレードだ。本当にそうなのか?相場のことは相場に聞け、に従って、相場に聞いてみようではないか。

 簡単な話だ。株価や住宅価格を見てみればよい。左のグラフは1987年からの日米株価を比較したグラフである。さすがに日米ともリーマンショック時に暴落はしているものの、アメリカはほぼリーマンショック前の水準に戻っている。もっと言えば、リーマンショックはあっても長期的には上がり続けている。日本はリーマンショック前の水準まで戻していないどころか、長期的には下降トレンドだ。

 

 住宅価格の比較は、厳密にはアメリカは住宅価格、日本は地価での比較になるのだが、この際その違いはどうでもよいだろう。そもそも日本に住宅価格の指標などないと言ってよい(日本は住宅価格の指標など出してはいけない国ということか。いや、日本の住宅の価値はゼロということなのかもしれない)。

 


日本がアメリカのことを言える立場ではない

 さて、指標のことはともかく、住宅・不動産の比較に関してはもう説明するまでもないだろう。アメリカは2007年以降下がってはいるが、下げ止まったようにも見える。それ以前に、日本の下がりっぱなしの現実を見てみろ!日本が人のこと言える立場か! 比較にもならない。

 これが相場に聞いた答えだ。アメリカは好調で日本はダメ、ただそれだけだ。アメリカは100年に1度と言われる大きな危機をわずか2~3年でカバーしたのだ。一方、日本はバブル崩壊から20年経っても全く復活できないばかりか、リーマンショックの影響をモロにうけている。相場に聞いたら、これ以外の答えはないのだ。

 この現実を見たとき、とるべき行動は2つしかない。これまでならアメリカは調子がいいのだから素直にアメリカに投資をして日本を売ればよかった。ただし、これからはわからない。もういい加減下がると思うなら売る、まだまだ好調と見るなら買う。それだけだ。

 考えようによっては、日本買いもある。日本は下がりっぱなしだから、いい加減日本もあがるだろうということだ。そう思えば日本を買ってもよい。

 アメリカの資本主義が終わるなど事実でもないし、どうでもよい。ただの願望だろう。なりたいヤツは評論家になればよい。でもなれないだろうが(ちなみにプロの評論家ってのは、そこらの人間が想像するよりはるかにシビアな世界だぞ)。まあキャバ嬢相手にカネ払って経済談義でもしていればよい。

 未来のシナリオを描くときにべき論はいらない。アメリカが堅調なことは間違いなく、好調ならばこの後も好調が続くとみるのか、終わると見るのかだけだ。

 とにかく、相場から見た事実をありのままに言えば、アメリカが沈没寸前だというのはウソで、日本が半分沈みかけているというのが事実だ。

アホな評論家気取りと一緒にいると身を滅ぼす
 今日本にしきりに言われている日本の底力だとか、日本人に残されているパワーだとか、こういう妄想はどうでもよい。アメリカが浮かれているなどという話もどうでもよい。ただ、いい加減願望と妄想でウソをつくのはやめるべきだ。それこそべき論だ。

 事実を受け止めず、願望が事実に自然と摩り替ってしまう原理はまったくわからないが(いや、本当はわかる。ただ頭が悪いだけだ。それにしても頭の悪いヤツラが多すぎる)、そいつらと一緒になってはだめなのだ。事実を事実として捉えないといけないのだ。

 ちなみに私は、リーマンショック直後、日本もアメリカも復活に時間がかかると踏んでアメリカ株には投資はしなかった。完璧に敗北である。

【関連サイト】
お金持ちへの取材で明らかになった、お金持ちになるための法則
なぜあなたは出世できないのか?
起業・独立で成功するために知っておくべきこと
放射能から身を守る食品ガイド
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