投資の世界が胡散臭く見えてしまうワケ(前編)
以前、投資はギャンブルとは本質的に違うことを述べた。これでギャンブルのイメージが払拭できた人、または以前からそれはわかっているという人でも、投資自体にあまりよいイメージがない、もっと言うと胡散臭さを感じている、という人は結構多いのではないだろうか。
投資の世界が胡散臭い理由はの1つは理論(立場)の対立
「卵は1つの籠に盛れ」「投資理論なんかクソ食らえ」の回で投資理論について述べたが、そこで、投資理論信者とアンチ投資理論派の対立があることにも少し触れた。投資の世界が胡散臭く感じる理由には色々あるだろうが、その理由の1つはこの対立にある。
投資理論は、現時点で一定程度検証された理論、つまりあくまでも過去の検証であり、未来を予測するものではない。また、信じる・信じないという類のものでもない。
伝統的な投資理論
一部繰り返しになるが、投資理論の代表的なものを挙げると、
・情報はすべて瞬時に市場にいきわたる。
・情報はすべて瞬時に株価に反映され適正な値段(理論価格)になる。
・リスクが高ければリターンも高く、リスクが低ければリターンも低い。
・同じリターンならリスクが小さくなる商品の組み合わせが理想
・計算上はこの理想の組み合わせがある。また、銘柄を殖やせば殖やすほどリスクは減る。
・割安・割高な銘柄など存在しない。
・株価のリターンは6~7%、リスクは20%くらい。
・価格(株価など)の動きはランダム。予測はできない。
などがある。ここで市場における株価形成のポイントは、
①適正な値段とは、企業の理論的価値
②市場には情報が瞬時に行渡るため、瞬時に理論価格になる
であり、だから割安・割高など存在しない、となる。
この「市場に情報が行き渡り適正な株価に収束する」という考え方と、「株価の動きがランダム」、「リターンの高いものはリスクも低い」、ということは投資家の間である程度合意が形成されているといってよい。
しかし、情報の行渡り方・株価への反映が「瞬時に」という点は納得できない人も多い。また、リスクがそれほど高くないのに高いリターンを得られる商品が稀に存在する。
株価のリターンが6~7%、リスクが20%というのも、これまでの平均ということはわかるが、株価が上がり続けた時代に投資をした人と、バブル期末期に投資をした人ではまったく逆の結果になる。
投資理論って実際のところ役に立ってるのか?
つまり、投資理論が当たる・当たらないという話ではないにしろ、実際の投資には何の役にも立たない気がするのは当然なのだ。ここでもうすでに胡散臭く感じてしまうのだろう。だって理論などと言ってるものがこのザマだからだ。
とはいえ、その理論に真っ向から反対?しているというか、文句を言っている人たちの理屈もまたこう・・・信頼性がないというか、バクチ的に見えてしまうのだ。このバクチ的な人たちの話は次回に。
【関連サイト】
「お金持ちへの取材で明らかになった、お金持ちになるための法則」
「なぜあなたは出世できないのか?」
「起業・独立で成功するために知っておくべきこと」
「放射能から身を守る食品ガイド」
「記事にできないホンネを集めた脱力系裏ニュースサイト」
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