投資の教科書

株式投資20年の投資家が語る 絶対に知っておくべき投資の真実

*

市場は操作されているなどというくだらん陰謀論を信じるヤツは株などやめてしまえ

 

 投資関連のネットの掲示板は、相場が一部のプロたちに操作されているといった陰謀論で賑わっていることがよくある。一部の専門家にも陰謀論を説くヤツがいる。

 特定の人が市場をコントロールしていて、一般庶民が常にカモられているとか、そこまで大きな話ではなくても銀行などの金融期間が市場をコントロールをしていて常に個人ははめられている、といった類の話だ。

陰謀論は相場で敗れた人間の負け惜しみ
 これらは、部分的には合っているところもあるが、概して相場で負けた人間の負け惜しみでしかない。

 金融期間が個人投資家をはめている例があるとすれば、前回取り上げた2階建て、3階建て投信や仕組み債などの商品を売りつけていることくらいだろうか。こうやって地道な努力で(?)はめることはあっても、純粋に相場・トレーディングで機関投資家が個人をカモにして勝っているなんていうのは幻想にすぎない。

 この陰謀論を信じてしまっている人はほとんど相場で(投資で)勝てていないはずだ。というのは、この説を信じてしまう人は相場を甘くみているからだ。

 どういうことかというと、特定の陰の人なり主な金融機関がコントロールできるということは、「相場は単純な理由で動く」と思っており、その動きを先読みできれば勝てると思っているからだ。甘い。実に甘い。

 トレーディングの世界というのはプロの機関投資家でもバンバン討ち死にしてシカバネ累々の世界だ。ゴッドファーザーの意向をみつければ勝てるなんて100年早いのだ。そんなこと言っているから勝てないのだ。

機関投資家が有利なのは物量戦のときだけ
 確かに、機関投資家ならデイトレードするにしても、システムトレーディングなどを使い超高速取引ができたり、裁定取引のチャンスを自動的に探ることができるだろう。

 例えば、債券だったら、長期債と短期債の金利差がありすぎる、オプションの理論値から乖離しすぎている商品があるなど、システムで自動的にしかも高速で探すことはできるだろう。何しろ個人投資家なんかより遥かにシステムにお金をかけられるから。こういう面で有利だと言える。

 しかし、あくまで情報収集と分析にお金をかけられる点が有利なだけで、相場で勝てるか勝てないかは別問題だ。

 実際、個人投資家で機関投資家の裏をかくようなアルゴリズムを開発してボロ儲けしている人もいる。が、相場は変わるため、それが半年後にはもう使い物にならないかもしれない。ここで金融機関なら、カネをかけて次々と新しいものを作ることができる。

 こんな物量作戦で戦っている同じ土俵に個人投資家が入っていったら、そりゃあ負ける。機関投資家・プロに負けるとしたら、そういう話であり、陰謀論などではないのだ。

機関投資家のアホな負け方
 大企業とベンチャーが同じ土俵で戦ったらベンチャーは負けるだろうが、ある部分に特化して磨けばその部分では勝てることはある。

 たとえば、相場が急に下がったらファンドの基準・ルールに引っかかり、本来の価値がなくなったわけではないのに、投売りをせざるを得ない機関投資家が山ほどいる。これはタダのバカだ。操作どころの話ではない。しかし、逆に個人は自動的に投げ売るなんてわざわざ損をすることをする必要はない。

 期間投資家・プロは金を持っているから物量作戦では有利だが、逆にこんなアホな負け方もする。つまり、個人投資家と期間投資家はイーブンなのだ。

陰謀論なんて結局、舶来品・学歴コンプレックスからくるもの
 陰謀論者に聞きたいのが、まず、そんなに投資銀行が凄いというのなら、リーマンショックのときに、本来なら他の投資家に転嫁できるはずのリスクをすべて負い、商品丸抱えで破産したリーマン・ブラザーズはどうなんだ。ただのバカだ。全然凄くなどない。

 それから、逆にもう一方のプロである日本の仕手筋のことは、どうせそんなにうまくいっていないと思っているのだろう。実際に、最後の相場師と言われた是川銀蔵の最終損益は真っ赤だったそうだ。つまり、陰謀論者のこちらの見方は偶然にも合っている。

 要するに、これはアメリカでMBA取ってきました。とかカタカナが並んでいれば凄いと思い、同じことを日本人がやるとダメだと決めてかかっているだけ、つまり舶来品・学歴コンプレックスの裏返しなのだ。

 この陰謀論者というのは、一番商売や投資に向いていない。まったく冷静さがなく本質を見ようとしない。だから、陰謀論者やそう思いたい人は株はやめたほうがよい。

【関連サイト】
お金持ちへの取材で明らかになった、お金持ちになるための法則
なぜあなたは出世できないのか?
起業・独立で成功するために知っておくべきこと
放射能から身を守る食品ガイド
記事にできないホンネを集めた脱力系裏ニュースサイト

  関連記事

no image
「デフレがよかった・・・」と思う時代がやってくる?(前編)

 久しぶりにシャープ(やルネサス)以外の話。いや、ほんのちょっとは関係あるか・・ …

no image
続:シャープが倒産するかどうかは銀行次第?(前編)

 久々にシャープネタ。まあ、あまり状況は変わらないのだが。 赤字額は2倍でした? …

no image
ルネサス2000億ゲット!でもちょっと延命するだけだよ

 一昨日(2012/10/11)、ルネサスと革新機構と外資ファンドとと題して、ル …

no image
すぐには役に立たない話。でもいつか役に立つ話シリーズ1:アメリカがえらいことになっているぞ(前編)

 最近、アメリカの潮目が変わったようだ。一応「ようだ」と入れておいたが、ほぼ確実 …

no image
日銀のブレない人々

 今回もシャープの話じゃなくてすまん。前回に引き続き、またまた日銀の話。でも今回 …

no image
複雑な商品ほどよく売れる~利回り20%の投信などバカなやつに買わしとけ(後編)

 前回の続き。毎月分配の高配当の理由が必要になってきたことで登場した「通貨選択型 …

no image
天才でも強運でもないフツーの投資家がすべきこと(前編)

 このサイトでは最近「こんなヤツは株なんかやめてしまえ」のトーンが続いていたが、 …

no image
複雑な商品ほどよく売れる~利回り20%の投信などバカなやつに買わしとけ(前編)

 前回の毎月分配型の投資のところで少し書いた「通貨選択型」投信についてもひとこと …

panasonic
お帰りなさい、松下電器

 去年の中間決算のときだけ登場したパナソニックウォッチャー、再度登場。先週5/1 …

no image
ルネサスと革新機構と外資ファンドと

 しばらくシャープの動きがないので、今回はシャープではなく、経営再建つながりでル …