投資の教科書

株式投資20年の投資家が語る 絶対に知っておくべき投資の真実

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シャープのCBと同じ「利回り20%」の投信ってのはどうなんだ?!(前編)

 

 そういえば、一度利回り30%を超えたシャープのCBも今日8/15は22%まで戻した。価格にして80.5円(終値)だ。といっても、今日はもうシャープの話ではない。これは単なるつかみだ。

 このシャープのCBを例にリスクとリターンの考え方を、CB回り20%のシャープは倒産か(後編)で書いたが、世の中にはそのリスクとリターンの理論にあてはまらない商品が結構ある。

毎月高配当してくれる夢のような投信
 シャープのCBは正真正銘の投資商品なので、リスクとリターンの考え方に基づいて投資判断をすればよいのだか、世の中には正真正銘の投資商品のフリをして実際はギャンブルのような商品もある。それは高利回りの「毎月分配型」だの「通貨選択型」だのという投信に多く見られる。

 これらはちょうど今のシャープのCBと同じ約20%の利回りを叩き出している。このご時世、20%と聞いただけで怪しい。で、みな拒絶する、というのが普通だろう。しかし、「毎月分配金がもらえます」の一言でイチコロらしく、ここ数年バカ売れしていた。いや今でも売れているようだ(通貨選択型についてはまた今度)。

 しかし、おそらく基準価額(株で言うなら株価)が設定時の半分ほどになってしまっていることでようやく損をしていることに気づいた人も出てきたのか、最近少々問題になってきたようだ。

実は資産を食いつぶしているだけの投信
 投資に興味のある人は、ここでもう「タコ足ファンド」の話だとわかるだろう。巷ではこのタコ足ファンドは詐欺なのか?という話も出てきており、金融庁がそのうちこの「配当しすぎ投信」に規制をかけるらしい。

 このタコ足ファンドとは、簡単に言えば、投信を運用して得た運用益(金利・配当・一応キャピタルゲインも)ではなく、客から集めた金を分配金に回してしまっている投信のことだ。タコがタコの足を食べているようなものだから、ということでタコ足配当・タコ足投信などと言われている。

 投信はプロが運用して殖やしてくれるから分配金が出る。殖えないなら出ない。そしてさらに運用が下手だと、資産を減らしてしまうので投資家は損をする。

 単純に考えて、ファンドマネージャーに払う報酬と売買手数料というコストを上回る運用成績でければ配当など出ない。

 と、話は簡単なのだが、投信は自分ひとりがファンドに投資しているわけではない。不特定多数の投資家が出たり入ったりを繰り返し、そのたびに通常の運用にともなう売却以外の売却も行われる。そして分配金の支払いもある。これで一気に計算が複雑になり、運用成績がぼやけてくる。というか、こうやってぼやけているように、わからなく見せるのが投信会社の手だ。

 ここで多くの投資家がさきほどの単純な原理を忘れてしまう。とりあえず20%と聞いただけで尻込みするヤツはここでは合格だが、逆においしい商品にもありつけない。それはともかく、ここで言いたいのは、原理原則に従えばこの商品を買うことはない、ということだ。

最後まで持っていた人が負け、のゲーム
 冒頭で言ったように、タコ足をしている段階でリスクとリターンの理論が当てはまる商品とは言いがたく、ギャンブルのような商品だ。これでは、資産がなくまるまで持ち続けてきた人がババを引く、というゲームになってしまうからだ。

 ちょうど破産した「安愚楽牧場」の和牛投資に似ている。これもどんどん入ってくる新しい投資家がカモであり、入ってきた金を分配金に回す。そして配当できなくなったらゲームオーバーだ。

 ただ、その間に勝ち逃げした人はいるだろう。投信でいえば、安い基準価額のときに買い、その後運よく上がれば元本は保証され(うまくいけば上回り)、バカ高い配当ももらえる。このタイミングで投資した人は勝ち逃げだ。

 しかし、このゲームに参加するために投信を買っているのか?そうではないだろう。こうやってみな投資の基本から反れていってしまう。かくして失敗するのだ。この続きは次回の後編で。

【関連サイト】
お金持ちへの取材で明らかになった、お金持ちになるための法則
なぜあなたは出世できないのか?
起業・独立で成功するために知っておくべきこと
放射能から身を守る食品ガイド
記事にできないホンネを集めた脱力系裏ニュースサイト

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