投資の教科書

株式投資20年の投資家が語る 絶対に知っておくべき投資の真実

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卵は1つの籠に盛れ

 

 投資の格言だの教訓だのといわれるものの1つに「卵は1つの籠に盛るな」というものがある。卵を1つの籠に盛るとその籠を落としたときに全部割れてしまうかもしれないから、複数の籠に盛っておこうね、という意味だ。

お決まり文句「分散投資」
 これは、リスクを分散させるために、全財産を1つの商品に突っ込むのではなく、複数の商品に分散投資をすることの例えとして用いられる。1つの商品といってもローリスクの商品1つではなく、ハイリスク商品1つじゃダメよ、と言っている。ハイリスクの商品と安全な商品を組み合わせれば、リスクは減りますということだ。

 投資の初心者にはよくこの分散投資が勧められる。マネー雑誌や投資セミナーなどではお決まりのテーマだ。分散投資の原理はそのとおりだ。確かにリスク・リターンの異なる複数の商品を組み合わせれば平準化されるのはわかる。

分散投資したら儲からないでしょ
 説明しなくてもわかるだろうが、リスクが減るということはリターンも減る。投資で資産を殖やしたいのに、少ないリターンで満足なのか?

 「初心者は長期投資」というのはウソ の回でも述べたが、いつ・いくら欲しいのかで投資スタンスは変わってくる。初心者には分散投資がおススメとかそういう話ではないのだ。ただ、世の中どうしたいのかわからないままなんとなく投資している人が多いのも事実だ。

目標がないならムリに投資なんかしなくてもいい。
 以前、筆者にある人が「投資を始めたいのだが何を買えばいいか」と相談しに来たことがある。投資額は500万ほどで、これをいくらにしたいのか聞いたところ、3000万くらいにはしたい、ということだった。

 ザックリと、「6倍にするのは簡単ではない。0円になってもいいなら6倍の方法はある。覚悟があるならやってみてもいいのではないか」とアドバイスをしたところ、同席していた少し投資について聞きかじっているお勉強君が、「それは間違いだ」と言ってきた。

 そして、このポートフォリオ理論をぬかしはじめた(もちろん卵もね)。筆者は、この人にいくら投資しているのか聞いたところ、「100万円」と抜かした。「え?それだけ?」

貧乏人が分散投資とか抜かすな!
 もちろん、「え?それだけ?」などとは言っていない。ましてや「貧乏人が分散投資とか抜かすな!」と叫んでもいない。

 が、よく考えてほしい。このご時世、分散投資で得られる利回りなど多く見積もっても1~2%だ。この人は1ヶ月1000円欲しいがために投資しているのか?そんなわけはない。一体投資の目的は何なのか?

 たとえば、最初は貯金では殖やせないと思い、投資するために頑張って100万円貯めたとする。いざ貯まったらこの100万円をやっぱり失いたくない、と思ったのならそれはそれで大事に取っておけばよい。

 しかし、初心は忘れておらず、投資で殖やすぞという覚悟があるのなら、ここは一発賭けるのが筋だろう。そうでなければ何のための100万円作ったんだよ!となる。この期に及んで分散投資など、覚悟の上生まれた100万円も浮かばれない。

 自分があまりお金持ちではないと思うなら、そしてそれでも投資でお金を殖やしたいと思うなら分散投資など抜かしている余裕はないのだ。

 とはいっても、さっきのお勉強君のような人はゴロゴロいて、この手の人は貯金くらいの利回りしかなくても投資理論をかじって満足、投資をしている自分に酔って満足なので、目的など説いても無駄なのだが。

分散投資が有効なのは金持ちだけ
 さて、この分散投資をすべき人ももちろんいる。一言でいえば金持ちだ。金持ちは資産がさらに何倍にもなれば、それはそれで嬉しいだろうが、第一の目的は減らさないことと(多少は減っても大丈夫。何せ金持ちだから)、その資産が生み出す配当で食べていくことだ。運用する絶対額が大きいため、1%でも十分だ。

 金持ちはマネー雑誌も読まないだろうし、投資セミナーにも行かないだろう。で、誰に言われるわけでもなく、勝手に分散投資をしている。彼らこそ目的がハッキリしているのだ。

 これからお金持ちになりたい、または金持ちでなくても老後の資金くらいは用意したい、という人、あなたには分散投資など邪魔にこそなれ、役には立たない。

【関連サイト】
お金持ちへの取材で明らかになった、お金持ちになるための法則
なぜあなたは出世できないのか?
起業・独立で成功するために知っておくべきこと
放射能から身を守る食品ガイド
記事にできないホンネを集めた脱力系裏ニュースサイト

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