投資の教科書

株式投資20年の投資家が語る 絶対に知っておくべき投資の真実

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CB利回り20%のシャープは倒産か(後編)

 

 前回、シャープ倒産の可能性をホンハイとの提携交渉の経過に着目して考えてみた。今回はその続きを。

液晶パネルが大赤字
 そもそもシャープ(コード:6753)の経営が立ち行かなくなった理由は簡単に言えは、液晶全突っ込みと安売り競争に参戦しなかったこと、参戦しないくせに規模を縮小しなかったこと、だ。

 結果液晶テレビの売上ガタ落ち、コストはそのまま、で大赤字なのだ。売上など今年の第一四半期は去年と比べて30%、金額で2000億円も落ちた。そのほとんどが液晶テレビと携帯だ。

 ただし赤字の元凶は液晶だ。これで1000億飛ばしている。今期2500億円の赤字と見込んだのは、この1000億円の赤字プラス液晶の工場の稼働率の低さ(今50%らしい)で積む特損を合わせての数字らしい。

堺でアップル製品をバンバン作れ
 ということで、この液晶工場の稼働率が上がればよいのだが、これを上げてくれるのがホンハイ(コード:2317.TW)だ。この工場でアップル様用の液晶パネルをバンバン作ればよいのだ。下請けは嫌だなどと贅沢言っている場合ではない。

シャープはエルピーダ?
 ただし、一部自力でなんとかなる部分もある。今シャープは今年2月に倒産したエルピーダと同じにくくられてしまっているようだが、シャープはエンドユーザー向けの商品を作っているという点でエルピーダとは状況が異なる。

 エルピーダのメモリを店に売りに行って、さあ買って!というわけにはいかないが、シャープの液晶テレビは、店にいけば売っている。まったく売れないかというとそんなことはない。値段さえ下げれば売れる。つまり現金は入ってくるのだ。ちなみに減価償却費も2000億円ある。

打つ手いろいろ
 コストだって削れる。従業員5000人削減と言っているが、年収700万円のホワイトカラーはどうせほとんど手付かずなのだろう。誰を切ろうが勝手だが、人件費もまだまだ削る余地があるということだ。

 広告宣伝費や研究開発費も下請けに徹するのだから、もうやめてしまえばいい。それに、もうホンハイの手が付いてはいるが、工場はファンドにしてアップル様に売ってしまうなんてどうだ。アップルにとっても液晶の安定供給とファンドの配当が約束されれば悪くない話だ。

 と、だいぶ乱暴な話をしたが、話は小難しく考えると論点が見えなくなるのでこのくらい言ってちょうどよい。とにかくシャープの経営陣が自分の立場と給料よりも会社の存続を考えられれば打てる手はかなりあるのだ。

普通なら銀行は追い貸し?
 そう簡単に飛びそうにない気もしてきたが、あとは銀行がどう出るかだ。1兆を超える有利子負債のうち5000億円ほどが銀行からの融資のようだが、これをまるごとドブに捨てるのか。

 液晶分野回復のおおよその目途がつきそうであれば、とりあえず来年のCB分くらい追い貸しくらいしてくれるだろう。いや、その前に返さねばならないCPの3600億円が先だが。

 もし、銀行が賢ければ貸せると見込んでも色々条件を付けて、引っ張るだけ引っ張り金利を上げてくるだろう。今ガンガンリストラを迫っているのはそのためではないか? で、リファイナンス完了でほぼ丸く?収まる。のはずだが・・・。

みんなでオロオロは困る
 そこは、日本の銀行だ。シャープと似たようなものかもしれない(前回)。一昔前なら、銀行にも再建計画にかなり口出しをする(というより命令)大物経営者がいて、 リストラ迫って金利上げてサクッと決まることもあっただろう。

 しかし、今はどうなのだろう。やはり自分の身が大事・決め事はイヤ、の典型的なサラリーマン軍団なのだろうか。だとすると、プレーヤー全員でオロオロしている可能性もある。

 今また貸せる・貸せないと銀行がグダグダ始めたようだが、その間にホンハイは「台湾当局がこんなバカ高い株価で株買っちゃいけないって言ってるよー」と揺さぶりをかけてきた。いや、そのうちブチ切れるかもしれない。そうなったらアウトだ。といってもホンハイブチ切れの可能性は低いだろうが。

さらに困るのはシャープの逆切れ
 それから、近代国家の理屈としては普通は考えられないが、日本だと起こりうるのは逆ギレだ。下請けはイヤ、リストラもイヤ、と自ら提携をブッタ切ったり、自力再建を放棄してしまう可能性もある。会社がなくなったら元も子もないのに、だ。

 逆にホンハイとの提携がなくてもなぜだか銀行が貸してしまう可能性もある。日本では想像を絶することが起こりうるため、何が起こるかわからないと思っておいたほうがよい。

 こんな観点で見てみると、シャープが倒産するかどうかは理屈上はなさそうだが、結局どうなるかわからない、ということになってしまう。ただ、直近ではホンハイとの提携がカギとなる。

 銀行もシャープも何をするかわからない、という点では両者の動きが先にくるかもしれないが、これは想像がつかない。それは困るので、とにかくシャープの経営陣にはパニックにならない程度に頭を使ってもらわないといけない。

シャープCBを買った人の勝ち負け
 さて、このシャープのCBの利回りはほんの10日ほど前まで7%程度だった。倒産すると思っている人はまだ少ないときにこの利回りはかなり高く、お得な商品だった。が、2~3日で一気に倒産リスクが織り込まれ30%まで跳ね上がった。

 リスクとリターンの観点からすると、紙切れになった場合、無事償還された場合、どちらにしても、一度デフォルトとなるリスクがあった商品を7%程度の利回りで買ってしまった人は完全に負けだ。

 無事償還されたとしても負けというのは、こんなリスクの高い商品をこの程度のリターンで買ってしまったからだ。

 逆に30%で拾った人は勝ちだ。倒産したとしても勝ちというのは、その覚悟で買っているからだ。リスクを取った自覚がある(その覚悟なしに買った人はもう論外)。そして無事償還されたら取ったリスク分は儲かることになる。

 もちろん、先のことはわからないし、最初から倒産がわかっていたら誰も買わない。また「紙切れになったら確実に損をするのだからどちらも同じ負けなのでは?」と思うかもしれないが、ここでは7%から20%では踏ん張り、様子を見て30%拾ったこと、つまりリスクの取り方をもってして勝ちだと言っているのだ。リスクとリターンはこんな風に考えるということだ。

 では、これから皆でシャープのCBを買ったつもりになってシャープの動向を見ていこう。ドキドキすること間違いない。

【関連サイト】
お金持ちへの取材で明らかになった、お金持ちになるための法則
なぜあなたは出世できないのか?
起業・独立で成功するために知っておくべきこと
放射能から身を守る食品ガイド
記事にできないホンネを集めた脱力系裏ニュースサイト

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