投資の教科書

株式投資20年の投資家が語る 絶対に知っておくべき投資の真実

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CB利回り20%のシャープは倒産か(前編)

 

 前回、リスクの話をしたが、そのリスク、特に信用リスクについて身近に感じることができるちょうどよい商品が今まさに市場に出回っている。タイトルにあるシャープ(コード:6753)のCB(転換社債)だ。

 信用リスクは感覚的にはわかりやすいとは言ったが、いざ自分が投資をするとなったらとたんに冷静に考えられなくなるものだ。

 利回り20%と聞いただけで最初から見向きもしないという人がほとんどだろう。今20%といったら倒産レベルだ。だから手を出さないという判断は大抵の場合正しい。

利回り20%は魅力だが・・・
 しかし、逆に20%という利回りの高さと、まだ本当に倒産するかどうかはわからないという思いから、この手の商品に魅力的に感じる人もいる。リスク覚悟の投資家ならなおさらだ。ここが投資の難しいところだ。

 このような商品に魅力を感じる人や、買わないにしても本当に倒産するのか気になる人にとっては、一度20%がついたものは紙くずになるのか、今後の経過を見ておいて損はない。

 実際に投資はしないとしても、リアルタイムでリスクとはこういうものかと実感することができるだろう。しかも結果は近いうちに出るというこの上ない教材だ。

今の日本でCBは珍しい
 ということで、まずこのシャープのCBについてザッと説明しておこう。念のため言っておくと、当然ながらこの銘柄を買え・買うなという話ではない。

 CBの細かい説明は省略するが、簡単に言えば株式に転換できる社債のことだ。債券だが、途中で株に換えられる。換えなくてもよいが、株に換えられる条件が付いているため利率は低い。

 たとえばこのシャープのCBの利率は0%だ。しかも額面100円に対して102.5円で発行されている。返ってくる金額は額面の100円であるから、市場で102.5円以上で売れる見込みがあるか、株に換えて売却益が出るようでなければ買う意味はない。

 このような性質の商品であるため、普通は株価がどんどん上がっている時代、上がること前提で発行される。だから最近はCBなど発行する企業はほとんどない。

償還まで待つしかないCB
 このシャープのCBは株価が2000円前後だった2006年9月に発行されたもので転換価格(株に買えるときの株価。発行時に決めておく)が2531円。そして、いまや株価は200円割れだ。ちなみに、CB発行後、株価は一度も転換価格を超えたことはない。

 だとすると、もう償還(返済日。このCBは来年2013年9月)まで持って元本を返してもらうしかないのだが、ここまで株価が下落し、CBの利回りが20%を超えているとなると、今度は返済さえ危ういと考えるのが普通だ。

償還など待っていられないCBへ
 実は20%の利回りとは8/6にかろうじてついた82円という価格から計算されたもので、8/7の特別気配77円(売りものばかりで売買が成立していない)を用いれば25%を超える。もう投売りの状態だ。

 倒産となれば全額は返ってこない。ほぼ紙くずとなること確定だ。逆にこのCBを返す当てがないとなれば倒産は決定だ。

 シャープはCBを返せるのか、踏み倒して倒産となるのか、どの辺りに注目して経過を見ていけばよいのか、この話は次回に。

【関連サイト】
お金持ちへの取材で明らかになった、お金持ちになるための法則
なぜあなたは出世できないのか?
起業・独立で成功するために知っておくべきこと
放射能から身を守る食品ガイド
記事にできないホンネを集めた脱力系裏ニュースサイト

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